会社員だった私が東大院試に合格した勉強法

私は大学の学部(同志社大学経済学部)を卒業して約10年経ってから、

大学院(東京大学大学院教育学研究科)に入学しました。

 

最近、会社員を経て(あるいは会社員をしながら)大学院に行きたいという知人から、

どのように院試対策をしたのか聞かれる機会が多いため、一度まとめておきたいと思います。

 

結論から言うと、私はこの院試対策の予備校に通いました。

(回し者ではないですよ)

www.subarulc.jp

 

この予備校にたどり着いた経緯なのですが、

たしか「院試対策 文系 予備校」とかで検索をして、たまたま出てきたんです。

 

サイトに訪れたとき、正直「なんとなくあやしい」という印象を持ちました。

(何がというわけではないのですが、なんとなくサイトの雰囲気が?)

 

でも、入学を考えている人向けに無料で個別の面談があるということだったので、

話を聞くだけ聞きに行ってみようと思い、面談の予約をしたのでした。

 

その面談で、高橋先生という方とお話しし、「あやしくない、良さそう」と思って、

入学したという経緯です。

 

私が受講した具体的な内容と期間は、以下の通りです。

【内容】

私が受講したのは以下の3つ。

①記述問題対策の演習:  毎週水曜日(夜)

②研究計画にコメントをもらう : 随時

③ 英語対策の授業:  毎週土曜日(お昼頃から夜まで)

【期間】

私が受験した研究科の受験日は9月〜10月で、

受験する年の4月から通いました。

受験本番までの、約半年間通ったということになります。

 

会社員をしながら院試の準備をしていた自分にとって重要だったのは、平日夜or土日に通えるということ。

 

英語対策は毎週土曜日、記述問題対策は水曜夜に開講されていたので、

まず、この点をクリアしています。

 

私はこの予備校に通う時間+「平日の朝会社に行く前」と「日曜日」に、

院試対策の勉強をしました。

 

(当時は子どもがいなかったので、子どもがいる現在から考えると、

自分のためだけにこれだけ時間を使えたのは贅沢だなという感慨...。

 

ただ、やや脱線しますが、院試の少し前に、ある日突然「会社で(男性)上司の声がよく聞こえない...頭の中で人の声が反響する...」というそれまでに経験したことのない状態になったことがありました。

 

病院に行ってみると、「低音性難聴」という診断。

それで声が低めの男性上司の声がよく聞こえなかったわけです。

 

原因ははっきりしなくて、ストレスとか寝不足で発症するよう。

この時期、知らぬ間にストレスがかかっていたのかもしれません。

 

なお「低音性難聴」は、「イソバイド」という飲み薬で治りました。)

 

話を戻しまして、私が通った予備校の感想をジャンルごとに。

①論述問題対策と、②研究計画書

私は「教育社会学」という分野の受験をしたわけですが、

指導をしてくださる高橋先生はこの分野のご専門ではありません。

 

なので、ここでのご指導は、主に「論述問題」と「研究計画書」の一般的な考え方。

ただし、その一般的な考え方が、会社員を10年して大学から長く離れていた私には、わからなかったところなので、

ここで大きな「型」のようなものを教えていただいて、

そこから自分での対策が、一気に的を得たものになったと思います。

 

③英語対策

これが本当にためになりまして、

独学ではここまで短期間で伸びなかっただろうと感じています。

 

具体的に何をやったかというと、

国立大学文系院試の過去問をまずは解いてみる。

(基本的には学術書の一部をただただ和訳するという問題。)

解いた後に、高橋先生が、和訳にあたってどの部分がポイントかというのを

解説してくださる。

 

という流れです。

 

当時の私は、会社の仕事の中で英語に触れる機会はほとんどなく、

日本語の学術書を(趣味的に)読む機会はあっても、

英語論文を読むということは、少なくとも日常の中ではほとんどない、という環境でした。

 

なので、はじめは過去問を解いても本当にトンチンカンな訳し方をしていたのですが、

この授業で、和訳の際にポイントになる「関係代名詞」や「副詞節」について解説していただき、

そこからみるみる過去問が解けるようになって、「楽しい!!」という感覚でした。

 

10月に院試が終わって希望する研究科に合格し、

それ以降にどこかを受験する予定はなかったのですが、

高橋先生の英語の授業が本当に勉強になるし、自分の英語力が上がっていく感覚が楽しかったため、

年度末まで授業を受けさせてもらったほどです。

(たしか「本科生」的な形態で入学したので、年度中は+αの費用は発生せずに、

授業を受けることができました。)

 

大学院に入学して随分時間が経ちますが、

大学院に入ってまず感じたのは

英語の論文を読めないと研究はできない!

(当たり前なんですが、院試前は目の前のことに精一杯で、そこに思い至らず。

大学院に入学すると、まずは修士の授業で、英語文献の講読を大量に課されるので、

どんどんそれを捌けないとついていけない!

さて自分で論文を書くという段になっても、

英語論文どんどん読めないと進まない!)

 

つまり、この予備校で英語を勉強したことは、

院試対策という意味だけではなく、研究をしていくために必要なことだったと感じます。

 

数年前に、その高橋先生が、『詳解 大学院への英語』という書籍を出版されています。

(発売当初、東大の本郷書籍部でも話題書コーナーで推されてました)

 

文系大学院の院試対策の方法に迷われている方や、

予備校に通う時間的なリソースがないという方は、

一度この本を手に取られてみるといいかも知れません。

 

このところ、人から聞かれることが多い話題だったので、自分の経験をまとめてみました。

どなたかのお役に立てば嬉しいです。